阿弥陀岳南稜(静かなる八ヶ岳) 中編 2009・10・1
念願の阿弥陀岳南稜へやって来ました♪
8月末に下見を兼ねて歩きに来た立場岳・青ナギを越えて無名峰まで上がって来ました。
その様子は 前編にて どうぞご覧ください
赤岳からのキレットが間近に見えてます。
ここの核心部も隠れていますね~。
今はどうなってるのかなあ・・・
無名峰での素晴らしい展望に感嘆の声を上げ いよいよ核心部へ、まずはP1のピークへと下ります。
稜線漫歩が楽しめるのかと思いきや ふみ跡ははっきりしているものの低潅木の根元をたどるので何も見えません。
登り返してP1のピークに出るとまたまた素晴らしい展望!
ここまででも充分満足♪
ここまで この展望を眺めに登って来てもいいよね♪
素晴らしい展望でなかなか前に進めません。
なかなか気楽に稜線漫歩を楽しませてくれません。
伸びているハイマツやシャクナゲに行く手を邪魔されます。
体中触られて 通せんぼされたり 跳ね飛ばされたり パンチをもらったり
P2のピークは気がつかないうちに通過したようです。
P3です。真下の草つきをトラバースして左の凹みから核心部に入ります。
P3の左下の凹みを乗り越えて少し下ると いよいよです!!
乗り越えると ふみ跡が2つに分かれていますが左のふみ跡を下りました。
張り出している岩を横から乗り越えて 岩溝に入ります。
ワイヤーが付けられているのですが変に伸びるので 安定しなくて頼るのが怖かったです。
ワイヤーを確認しているカル2です。
岩陰になっていて見えませんが水の流れている上が岩溝でトヨ(樋)と呼ばれています。
岩溝は手がかり 足がかりがたくさんあるので怖くはないのですが この岩の出っ張りを横に回りこんで岩溝に入るときが怖かったです。
足元はスパッと落ちています。
岩がぼこぼこで手がかり 足がかりがたくさんあるように見えるのだけれど高さのないぼこぼこでしっかり握れないのです。
男性は力任せに行けるようだけれど カルディナは手がかりが見つけられません。
始めの足場は確保できましたが岩溝に上がるときの体重をかける手の確保が見つけられなかったのです。
ワイヤーは変に伸びるので怖くてとても頼れません。
振られて手を離したら谷底へ真っ逆さまだからです。
カル2が指示を出してくれるけれど、手の届く岩がしっかり握れないので体重をかけることが出来ません。
自分で見つけるしかないですね。
カルディナが通過できなければカル2も進めません。
半ばあきらめかけて 冷静になって再度挑戦。
今度は手の届く位置にしっかりつかめる小さな岩の突起を見つけました。
どうしてクリアできたか覚えていないのだけれど その小さな突起がしっかり握れたので安心して体重移動が出来て無事に岩溝に乗りました。
ふ~~~~!
後で聞いたら大股開きで左足を岩溝に乗せたそうです
大荷物のときは大変だなあと思います。
落石の恐れがあるので水の流れている岩溝をとにかく上へと這い登りました。
もうまもなく この溝は凍結してアイゼン・ピッケル無しでは難しくなるでしょう。
岩溝は手がかり 足がかりがたくさんあるので怖くはなかったです。
立っては歩けない かといってよじ登るほどの傾斜ではない、這い登るというのが妥当でしょうか。
でも油断や気を緩めると一気に谷底へと滑落するでしょう。
草つきになってきたところでカル2を待ちます。
カル2は難なくクリアしたようですぐに追いついてきました。
草つきにも踏み跡らしいものがあちこちあります。
どれを選ぶか・・・カル2と交代して後を追います。
草の根をつかむより岩のほうが安心なのでそのまま溝の中を這い登って落ち着けるところで一休み 。やったね!!
カルディナの奮闘振りです。
取り付きはさすがにカメラを出してる余裕はなかったですが・・・
中間地点から上を見たところ。
あとは山頂まで普通に歩くだけ・・・と思っていたら、まだまだ気が抜けませんね。
ほぼ垂直に落ちている岩場のトラバースでおっ!コワ!!
足場が狭くて手がかりの岩が安定してないものがあったり。
ザックが少しでも岩に触れたら落ちるなあ・・・・
登りきると今度はザレた岩場ですが下を見ると中岳からの一般登山道がすぐそこに見えます。足の下が大きく崩れた谷で思わず気を引き締めました。
やっと安定した岩道になり 山頂到着です♪
12時32分でした。記録的な時間ですね(^^ゞ
展望が良すぎてのんびり来すぎたかしら?
日帰りなので下る時間も考えながらでしたが もうちょっとでタイムオーバーでした(^^ゞ
やったね!!!
素晴らしい景色だね~♪
何年ぶりになるのかしら。
前回は真っ白だったのですごく新鮮な景色です。
歩いてきた南稜を振り返ります。
青ナギがあんなに小さい。
感無量です。コーヒーのおいしいこと!
最高の条件で登らせてくれて阿弥陀様 カル2さん ほんとにありがとう。
三点支持が体にしみこんだ人なら あの岩溝への回り込みをのぞけば 難易度は高くはないですが、やはり一般登山道ではありません。
気を抜くと大怪我 命にかかわるポイントが幾つかありました。
ふみ跡は稜線上では登山道と言ってもいいくらいはっきりしていましたがマークや指導標類はなかったです。
山頂で他の登山者が今度 南稜下ってみようかと話してるのが聞こえました。
あの岩溝は下りのほうが難易度は高くなると思います。
一度登りで使ってから考えたほうがいいと思いますよ~。
そして 阿弥陀岳は岩があまり安定していないので 手がかり 足がかりはしっかり確認したほうがよさそうです。
風もなく 暖かく幸せな時間を過ごすことができました。
ここまで誰にも会わなかったけれど、山頂の登山者も多くなく 皆さん 長居をせず 入れ替わり 立ち代りという感じでした。
心もお腹もいっぱいになったし そろそろ下山開始時間のタイムリミットです。
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